【連載】ペアレント・ピアヘルピング(1)ペアレント・ピアヘルピングとは?

ピアヘルピング(peer helping)のピアとは、仲間、友だちという意味です。ヘルピングというのは助け合いということです。ですから、ピアヘルピングとは仲間同士で助けたり助けられたりする人間関係のことです。日本教育カウンセラー協会は、大学生を対象にして2001年からピアヘルパーの制度を作りました。

そして、私たち東京教育カウンセラー協会(日本教育カウンセラー協会東京支部)は、学校の保護 者を対象としたピアヘルピングの活動を2008年から始めています。ペアレント・ピアヘルパーは、 子育てする中で、どの親も直面するようなできごとについて、親同士が助け合う活動を目指します。 たとえば、子どもが懐かないとか、進路問題で親子の相談をどう進めていいのか迷っているとき、 「お宅はどう?」と聞きたくなりますね。相手が子育ての先輩なら、とても参考になります。

ピアヘルピングは、カウンセリングの日常生活版です。したがって、ペアレント・ピアヘルパーに なるためには、ある程度カウンセリングを知っている必要があります。プロのカウンセラーほどには 専門用語を覚える必要はありませんが、ピアヘルパーにも最低これだけ知っておいてほしいという知識体系身につけていただく必要があります。

本協会ではこの趣旨を十分に理解した教育カウンセラーを、特に「ペアレント・ピアヘルピング・ インストラクター」として認定し、勉強会の支援・指導にあたってもらうことにしました。

ピアヘルピングのプロセス
ペアレント・ピアヘルパーは、日常生活の中で触れ合った機会を活用します。買い物の途中で立ち話か、少し時間を取ってファミレスでコーヒーを飲みながら、または学校の保護者会の後に教室の片 隅で。犠牲的精神を発揮して相手のために尽くすのではなく、自分のあいている時間を活かして、い かに相手の役にたてるか、です。そのためには、意識して自分の言動を選びます。

第一段階 リレーションづくり
リレーションをつくっていくための技法は、カウンセリングの基本技法を演習します。
1 受容 2 繰り返し 3 明確化 4 支持 5 質問

第二段階 問題の把握
問題の核心を把握するために、WHO、WHAT、WHEN、WHY、WHERE、HOW を明らかにします。

第三段階 問題の解決
ヘルピーが自力で解決できない場合には、ピアヘルパーは次のような対応策を講じることです。
1リファー 2ケースワーク 3コンサルテーション 4 ピアスーパービジョン 5 具申

齊郷敦子(東京カウンセラー協会)

『ペアレントピアヘルピングハンドブック』(2016 東京教育カウンセラー協会編)より

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